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小学三年生の頃、

寒い冬の夜に雪が積もったのがうれしくて

降り続ける雪と煙突付の家と毛糸の帽子の絵を居間の窓硝子に描きました。

上手くかけたと満足して眺めていたら、親が何故か怒るのです。

私は驚いて悲しくなりましたが、その絵を真に褒めてくれる人がひとりだけいて

大人になってもその事をずっと覚えていました。

そんな優しい人がもうこの世に居ないことが受け入れられず

思い出すだけで胸が暖かくなる思い出と幾つかの後悔が残ります。

限りある命を想うお正月です。