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二階堂美術館「雅の継承 近代の大和絵」

ここは展示内容が変わるたび季節の色を感じさせてくれる場所。

来場者が少ないところも◎

今回は幕末から昭和初期までの近代の大和絵の掛け軸と屏風が、秋らしく華やかに並んでいて

清涼感あふれる夏の展示とはまた違った趣きです。

 

掛け軸に収まった絵を観て気づいたのは、夏の展示の時の背景より絶妙に濃い(暖)絵が

揃っていること。対象物は鮮やかな色が沢山使われていても、背景を揃えることで

会場全体を包み込む空気を一変させることができるんだなと感じた。

言葉にしてみると当たり前のことのように思えるけど。

 

写真は二階堂美術館待合室の一角

安田靫彦の作品「義経参着」です。

頼朝と20年ぶりの対面を前に馬から降り、笠の紐を解く源義経。

靫彦は義経の顔を毘沙門天(藤原時代)からヒントを得て描いたそう。

すうっと引いた薄墨の線と微かな彩色の美しさ