永遠の文庫解説名作選を気の向くままに読んでいたら、
須賀敦子の解説 "池澤夏樹 /スティル・ライフ" に目が留まりました。
須賀さんが意表をついた三角形を思わせると言ったスティルライフの導入部。
「大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、
きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、
一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして」
さらにこの作家の不思議さにうたれ、数行読むうちにどこでもいいついていこうと思ってしまう
とまで書いているのだから、私はすぐにこの本を買って読みました。
モノとモノ
モノとヒト の結びつき
そのモノの見方について、見事にゆりうごかされる作品。
二人の出逢いの媒体となったのはアントニオ・タブッキのインド夜想曲だそうで、
それもまた読みたいけれど、まだ暫くここに留まっていたい。
(2 songs from the coffee shop)