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庄野潤三の初期短編集を読んだ。

まずプールサイド小景という響きがいい。

全ての作品に共通しているのは平穏な日常の危うさ。私達は日常と非日常を行き来しながら、いつ壊れるかわからない日常を奇跡的なバランスで留めていることをあらためて実感する。

夫の失業浮気等 内容とは裏腹に、深刻になり過ぎないこの軽やかさは何だろう。

妻があまりに古風で痛ましいことも気にかかる。

夫の失態に愚痴ひとつ言わないのだから。

きっとそんな時代だったのですね。

文庫初版は昭和40年と記載されています。